U.S. Navy Wickes class destroyers         アメリカ海軍 ウイックス級駆逐艦 ジェド・クランペット 
ウィックス級駆逐艦(Wickes class destroyers)は、アメリカ海軍が第一次世界大戦時に戦時急増した駆逐艦で、111隻もが建造されその後のほぼ同系のクラスを入れると数百隻近も建造されるという、工業国アメリカを代表する大量生産型駆逐艦です。
本級はバス鉄工所、ベスレヘム・スチール株式会社、フォアリバー造船株式会社、ウィリアム・クランプ・アンド・サンズ造船所等の多数の造船所で建造が行われ、完成とともに即座に戦線に送り出されていった。(一部は建造を急ぐあまり、日本にも発注された)
本級のいくつかの艦は武器貸与法に基づきイギリス海軍に貸与され、二次大戦時にHMSキャンベルタウンがドイツ占領下のフランスの、サン・ナゼール港のノルマンディドックゲートへ3㌧もの爆薬をつんだ超巨大時限爆弾として突入し、これを破壊したのは有名な話です。

総トン数1,247t  全長 95.82 m (314ft 4½in)  全幅 9.43 m (30ft 11¼in)  吃水 2.74 m (9ft)  乗員 士官、兵員100名
武装 50口径4インチ砲4門 21インチ魚雷発射管12基

さて、今回の「USSジェド・クランペット」は、レベル1/240 DD-132ウィックス級駆逐艦の「アーロンワード」が原型の「架空艦」となります。
このキットの発売はまさにプラ模創世記の頃のもので、シュガー長官いわく、昭和36年刊の「楽しい軍艦模型」という本の写真でこの駆逐艦のキットがあるのを知り、いつか作って見たいと思ったとのことです。
(と言うことは今から46年前には存在していたキット!・・・・・・・・・・・・)
とにかく実艦は隻数が多く、各艦就役後に様々な改装が施されているため、資料に写る写真が全部違うという凄さです。
そこで今回はその中の一隻が栄えある戦勝パレードで先頭を切って行進するために、儀仗用にトリコロールに塗装されたとの想定で作ってみました。
艦名の「USSジェド・クランペット」は1960年代にアメリカで大ヒットしたのTVコメディー番組「じゃじゃ馬億万長者」のお父っつあんから頂戴いたしました!

キットを快く提供していただいたcustom.TK  様に心より御礼を申し上げます。

こちらがボックスアート。
このキットは発売時期によってオリジナルアメリカレベル版と日本語のグンゼレベル版のほかに名前を変えたブキャナン、キャンベルタウン等がありますね。(絵も違います)
年代物の割にはさほど変形やヒケ等は見当たりませんでしたが、個々のパーツはあまりシャープとは言えませんね。
まぁ、素材と考えればかなり良い方に入るかと思います。
ビルジキールのモールドがちょこっとしか表現されていなかったので、削り落としてプラ板で追加しました。
甲板は本来鉄甲板で船体色の様ですが、今回は架空艦ということで、木甲板に。
一度きれいにモールドを削り落として木目を彫込み、塗装は初めてのヴァレオ社製の水性塗料を使用しました。
主砲の4インチ砲の出来があまりに酷かったので(笑)、金属パイプでスクラッチしました。
本来は砲身にテーパーが欲しいところですが、出来上がってみるとそれほど気にはなりませんね。(旋盤ほしいな!)
キットでは3インチ副砲の設定になっていますが、写真を見るとビッカース機関砲に換装している艦が多いようなので、こちらも自作してみました。
探照灯台は金属線で組んでいます。
ちょっと接着剤がダマになってお見苦しいかな?

重ねたプラ板に穴を開け、線を差し込んでトラスの間隔を決めています。
探照灯台の完成です。
やはり継ぎ目がぼってりですね(笑・・・・・・)
三連装の魚雷発射管はあまり手を入れていません。
が・・・これに限らずパーツは全部ボッテリとしていますので、削り込みは欠かせません。
ボート架。
実物はT型アングルでできています。(さすが大量生産!)
なので、エバーグリーンのTアングルで作ってみました。
曲げ部は切り込みを入れ、三角形に切ったプラ板を当てて成型。
後はマストと言うところ。
ここまでで二ヶ月でした。
左舷全体です。
実際には無い塗装ですよ・・・・・・・。
でもアメリカ人ってお祭り好きなので、ひょっとしたらこんなのがポトマック川をパレードしたかも知れませんね!
左舷艦首部。
水雷艇の面影が残る艦影ですね。
今回汚しはタミヤのウェザリングマスターを使用。
リギングはもっと細かく動索等が無数に有るのですが、簡素に固定索だけにしています。
(いつか張ってみようかと思いますけど・・・・・・・・次はあるか!?)
艦橋部。
資料でよく見ると艦橋の窓枠はもっと上になっていました。
この位置では足元に窓があるかと・・・・

艦尾。
後年、後部主砲は対空兵装に換えられているのが多いですね。
製作  kudopapa@副長