英国キュナード社が1907年に完成させた、31,550トンの当時世界最大の客船。
24ノットの速力を誇り、大西洋横断航路最速船に与えられる「ブルーリボン」をドイツ船からとり戻し、姉妹船「モーレタニア」とともに以後1929年まで22年間どちらかが保持し続けた。
第一次大戦中の1915年、ニューヨークからイギリスリバプールへ向かい航行中、ドイツ潜水艦「U20」の無警告の魚雷攻撃を受け、撃沈された。
この事件は、乗客乗員1198名の犠牲者の中に、当時中立国だった124名のアメリカ人が含まれていたことから、アメリカ国内にドイツに対する批判が高まり、アメリカの第一次大戦参戦の遠因となったといわれている。
「タイタニック」に続くGマークの1/350客船シリーズ?2作目の「ルシタニア」です。1978{S53}年に購入、1980(S55)年完成ですから、30年に近い前の作品となります。
昨今の1/350スケールキットの充実ぶりを見ると、まさに先駆的なキットですね。
このキットの製作時には、すでに長谷川藤一氏の作品にふれて薫陶をうけ、キットの考証にずいぶん気を使ったものです。
長谷川藤一氏曰く、「写真で見えるように作りなさい」
このため、極力実船の写真を何度も見ながら製作した記憶があります。

キット発売の1978年(昭和53年)には、モデルアート6月号、ホビージャパン5月号に製作記事(前編)とともに実船の写真が載っており、ずいぶん参考としました。
第二、第三、第四煙突付近

手すりはすべて自作、ステイを1本1本立てて、横に細い線(何を使用したか記憶にありませんが)を、当時手にはいるようになった瞬間接着剤でつけていった記憶があります。
客室後部付近
さすがこれだけアップにされるとアラが目立ちますね。
窓わくは面相筆で塗っただけに、ガタガタです。
舷側のタテの支柱は真鍮線でつけかえました(まだ太いなあ)。
大西洋をいかに早く渡れるか、スピードを求められていた時代の船だけに、煙突の多さも乗船客確保には重要な要素だったようです。
「タイタニック」の第四煙突、「ノルマンディ」の第三煙突がダミーだったのは有名な話です。
本船も、当時ようやく実用段階に入った蒸気タービンエンジンを採用し、68,000馬力を得ておりました。
さすが全周の手すりを取り付ける作業は単純作業で、アキが来て何ヶ月間か中断した記憶があります。
煙突の張り線(ファンネル・ガイというのだそうです)はテグスを使用、「タイタニック」同様、甲板のほうで固定した線を、煙突に引き込む方法で固定しました。(1本ゆるんでいるのがあるなあ)
「タイタニック」ではプラ材のまま使用し、しのってしまったマストも木材(たしか竹ひご)に取り替え、おかげでゆがむことなく今日に至っております。
製作  シュガー