「GOETHE]
 「ギョエテ?」いやいや「ギョエテとは俺のことかとゲーテ聞き」の「ゲーテ」です。
ドイツレベルの1/160スケールで全長52センチとなります。
ホンモノはなんと1913年に就航といいますからもう百年以上も経つとんでもないフネのようで、当然何度か改修をされて今日に至っているようです。
YouTubeでも優雅に走っている現在の姿を拝見できますが、キットは1980年代くらいの状態を再現しているようです。
昨今多くの日本人が海外に出かけており、こんなところに日本人が状態ですが、「ア、この船乗ったことある。でもちょっとちがう」という方が現れないとも限りません、が、それはそれで楽しみです。

 で、まずは船体から。
箱絵のイメージとは違いやたら細い、そして喫水が浅い!まあ川船だからでしょう。
この浅い船体に窓が並んでいます。
空けるのも相当の手間ですし、あけたところで中が見えるわけでもないのでここは塗装で済ますことにしてマスキング作業です。
船体は上から黄色、白、黒とほぼ3等分で塗り分けることとなります。
先に塗装した窓部分をマスキングし、それらしく混色した黄色を吹き付け、次に船底を黒で塗装します。
説明書にはこの部分深さ7ミリで、との指示があります。
大体これが喫水のようですからこれを160倍すると1,120ミリ。
1メートルちょっとしか喫水がないんですねえ、ホンマカイナといった感じですが。まあ、川船ですから。

 「ゲーテ」の船体の塗装が終了、次は甲板の接着、と行きたいところですが、
その前に推進装置の外輪を組み込まなければなりません。
外枠と内枠の間に片舷7枚、両舷で14枚の板を接着し完成です。
それを船体を貫通する軸の両端に接着し、船体のスリットに差し込みます。
この船体と接する部分がやたら細く、案の定折ってしまい、真鍮線で補強。
あまり回転がスムーズではありません。
実船の外輪が回っている動画を見ると、この外枠と内枠の間に補強の支柱があるようなので真鍮線を×に入れてみました。

 組み上げた外輪を塗装。
これで船体に組むことが出来ます。
甲板は一層目も二層目もグリーンのパーツですが、船室内はせめて別な色にしようということで茶系の色に塗り分けました。
これで船体と甲板を接着することが出来ます。

船体は外輪を設置したので、甲板を取り付けました。
次に、船体から大きく張り出している甲板を支えるため片舷に21本の支柱を取り付けます。
もちろんキットにはそのための長短さまざまな長さのパーツがありましたが、少し太いようなので0.5ミリ真鍮線に取り換えてみました。
21本それぞれ長さが違うので、あ〜面倒×2。
外洋を走るフネは外輪だけが船体からはみ出しているので、こんな構造は波の無い河川を走るフネならではですね。

「ゲーテ」は甲板が付きましたので、一層目の客室の組み立てに取り掛かりました。
周囲にはグルリと窓があり、透明プラ板のパーツを付けるようになっております。
結構中が見える・・・・その気になれば。
ということで一、二層目客室内側にもそれなりのウッド調の塗装を施しました。
箱絵写真では、窓枠の外側の縦の部分は赤い色をしているため、マスキングをして塗り分けました。
船尾には三段手すり部分があるので、ここも何とかしなければなりません。
一層目の客室を組み立てた後、その上に二層目の甲板と客室を組み立てるのですが、その前に・・・・
客室内に設置するために椅子とテーブルが一体になったパーツがあります。6人掛けの椅子の背もたれが付いたテーブルが5個付いたパーツが14個、向かい合わせの長椅子風に挟まれたテーブル4個付いたパーツが6個。これの設置は避けて通れません。
パーツは茶色のランナーについているのでそのままでもいいようなものですが、ここはひとつ塗り分けてみようということで、テーブルはテーブルクロスがかかっている風に白を吹き付けました。

 一層目の船室に椅子とテーブルを固定。次に二層目の甲板を固定しました。側壁を立て船室を形成。中に43卓のテーブルを配置しました。
この状態をkudopapa@副長殿に見てもらったところ、後で「あとはモーゼルワインの瓶とグラスがあれば完璧かと・・・・」との感想をいただきました。
何をおバカなことを、と思いましたが、窓際のテーブルだけにでもワイン瓶が立っていたらステキかも・・・との思いが・・・で、色々検討の結果、0.6ミリ(内径0.4ミリ)アルミ缶を2ミリで切断。
それに0.3ミリ真鍮線を挿し、段差をパテでテーパーを付けて整形してみることにしました。モーゼルワインの瓶は濃い緑色だそうなので、クリアーグリーンで塗装。高さをそろえるため幅4ミリのマスキングテープに並べ、出たところをカット。
瓶の口の部分の塗装をはがし、地の金色を出すと、それらしく見えてきました。こうなるとラベルが貼ってあったほうがいいかも(ア〜またまたダークサイトの深みに・・・)、ということでマスキングテープを切り刻んだものを貼ってみました。
 テーブルへのワイン瓶の配置も終わり、家内に見せたところ「一輪挿しみたい」とのこと。ウ〜ン、やっぱりそばにグラスを置かなければならないか。しかし、この大きさのワイングラスの工作は私には無理なので、せめてコップらしきものを置いてみようということにしました。
(増々ダークサイトの深みに・・・・)
ということで、透明ランナーを0.5ミリほどに引き伸ばし、それを2ミリの長さにカットしたものをテーブルに並べることとしました。
当初窓側のテーブルだけに並べる予定でしたが、結局二層目客室全部のテーブルに(結局そうなる)。後で数えたら6人掛けテーブルが44卓ありますので、264個並べたことになります。

 二層目の船内が出来ましたので屋根を設置して固定。
室内は・・・・・見えない!トホホ
屋根上に操舵室を設置しました。
操舵室の周囲に手すりがありますが、その後端が操舵室出入口の船首側で終わっています。
これでは下から上がってきて手すりをまたがないと入れません。
いくら足が長いといってもこれじゃなぁ、ということで後端を出入口の船尾側に変更。
操舵室内には舵輪がありますが、ちょっとさびしいので伝声管、窓の周囲に台を付けてみましたが、外から見てもわからない。あぁ。
ちなみに近年の「ゲーテ」の操舵室には舵輪は無く、スティックバーやデジタル機器が並ぶハイテク船となっております。

 小物の偽装品の取り付けです。
操舵室後部に煙突、吸気筒、を取り付け。
操舵室と煙突の間に汽笛の管がありますが、部品が何やら面妖な形をしていたので真鍮線、パイプで取り付けなおし。
大小のボートを搭載しておりますが、右舷の小ボートは伏せてあるようなので船底のみ塗装。
左舷のボートは中が見えるので、船底にすのこ板を敷き、オールを置いてみました(舷側にオールをひっかける金具も追加)。
ボートダビットは真鍮線と換装、根元にフックを取り付け、ロープ(ミシン糸を使用)をひっかけ&縛りやすくしました。
ボートをじかに甲板に置くのも安定が悪いので、設置台も追加してみました。

この時代の「ゲーテ」には、舷側にずらりと救命浮輪が取り付けられています。
キットにも浮輪の周りにロープがモールドされたパーツが18個入っております。
普通浮輪は3点で固定されているのを見かけますが、実船の写真を見ると、上部をただひっかけているだけのように見えます。
ということで、周囲のロープはカット。
L字型プラ材を1ミリ幅でカットしたものを直接浮輪に貼り付け、浮輪ごと指定位置に接着しました。
何とかひっかけているように見えるかな、と。

いよいよ仕上げの段階です。
船首尾に旗竿を真鍮線で立て、旗を付けました。
さらに操舵室の前面にメインマストを0.8ミリ真鍮線で設置。
十文字になるヤードは瞬接で索を縛った際強度に不安があったので、私としては珍しくハンダ付けしてみました。
真鍮線だと思っていたら、よく見たら0.8ミリの真鍮パイプでした。
もったいないことをしました。

このメインマストから船首旗竿、及び煙突まで索が張ってあり、それに赤白の三角旗が取り付けられております。
この取り付け位置も時代によって違いがあります。
今回貼ったデカールの中に、何かの記念エンブレム風なのがあり、文字が書いてありました。
見てみると「1988年 ゲーテ就航75周年」記念のもののようです。
ということはこのキット、1990年前後の仕様なのでしょう。

この三角旗、一応印刷されたものが付いてきておりますので、切り出して取り付けることとしました。
普通この手のやり方としては、旗の中心に索(糸)を挟んで折り曲げて接着しますが、旗をたくさん並べると、旗の向きがあっちこっちになってしまい、見栄えがよくない経験があります。
そこで、索のたるみの方向を見定め、索に挟まずに旗を接着する方法で付けてみました。
何とか皆大体下向きに並んでくれました。
ちなみに今回も索は使い慣れたテグス(0.4号)に油性ペンで黒く着色したものを使用しました。
たるんだ状態を表現するなら、メタルラインのほうがうまく行くかと思いますが、まだ使用したことがありません。
まあ、そのうち・・・








製作 シュガー 
 模型工廠 TOPへ