自分が所属している模型クラブはMPMCといいまして、毎年5月に八戸、青森、函館、室蘭の各サークルが参加した合同例会が行われます。 ここで毎年お題を決めてコンクールが実施されるのですが、最近はかなりアバウトなお題になる傾向です。 まぁ、これがとっても面白いのですが、今年のテーマは「三菱」?でした。 無限蒸気艦副長としましてはやはり船で勝負としゃれ込んだのですが、調べてみると有名どころは「武蔵」に「日向」が代表的な戦艦ですね。 どうも1/700は苦手なのでより大きなスケールと考えたところ、出てきたのが1/500 ニチモ「日向」でした。 このキット、小学生の低学年の時に親に買って貰った記憶があるので、発売から軽く40年はたっているものかと思われます。 最近は1/700が主流の艦艇模型ですが、1隻のボリューム感からいうとこの1/500というのも、なかなかに捨てがたい美味しさを感じられますね。 かといっても既に40年! 余程の気合と根気がないと駄目かなと思いつつ、わやなキットは慣れてるやい!と1ヶ月しかない日取りでの挑戦となりました。 で、これから始まるえらいこっちゃの世界を記録しておきましょう。 |
||
工期、一ヶ月の制約があるので、とりあえずバタバタと組んでパテの山を築いて形状をリサーチしながらの削りこみです。 キットですが部品のいたるところになんか「穴」が空いてます。 はて何かな?と見ると、それ全部ヒケのあなぽこ! こりゃ先が思いやられるワイと、とりあえず上下分割の船体を接着。 う〜ん、隙間なんてもんじゃないですね。大きな裂け目が走っていますね。 隙間にプラ板をグイグイかましてから、後の形状修正も考えて大量パテ盛り攻撃を実施。 この時に、甲板、構造物部品等のヒケあなぽこにもパテ盛りです。 |
||
かなりぶ厚く盛ったので完全に乾くまで数日はかかるだろうと船体を放置し、後部飛行甲板の製作に入ります。 この飛行甲板、木目のラインが入っています。 現在ではコンクリを入れたとの定説になっているので、これを削らなければなりませんが、そうすると艦載機の軌条も無くなってしまいます。 考え込んでる時間も無いので、いきなり金ヤスリでギコギコ。 荒削りの後、ガラス板に400番を水平に敷いて刃物を砥ぐように削り込みました。 仕上げで磨いた後、軌条を真鍮線でつけていきます。 直線は問題なしですが、軌条の分岐になっている箇所の丸いのが曲者で、筆の柄に巻き付けて円に整形しましたが、なかなか同じ大きさにならなくて困りましたね。 線がしっかり付いたところで上面に少し角が付くように、さらにヤスリで削ります。 (レールは埋め込み式との話もあり、ゲゲッ!) |
||
横に張り出している機銃座スポンソンのブルワークは 厚すぎて丈が低いので削り落とします。 艦尾と飛行甲板の接合部に「対空噴進砲」とそのスポンソンがあるのですが、この辺キットでは完全無視状態。 箱絵には描いてあるんですけどね? で、ここは取り付け状態の資料が無く、涙を呑んでパスとしました。(とにかく時間が無い) |
||
パテが乾いたのを見計らってから船体の削りだしです。 バルジのラインが不明瞭なので、多めに盛ったパテをそれらしく削っていきますが、削りすぎたと思った箇所にはさらにパテ盛りをしました。 乾燥時間が惜しいので、木甲板に塗装をかけます。 自分は古い人間なのでクレオスのラッカー(同世代の人はレベルカラーと言いますが)と筆塗り専門です。 甲板に軽くペーパーをかけて誇張な表現の木目を削り落とし、ちょっと厚めにタンを塗ります。 乾燥してからデザインナイフで2mm間隔で真っ直ぐにラインを入れていきます。 といってもフリーハンドでやってるのでところどころ線が重なるのはご愛嬌ですが・・・・・ このときナイフは引くほうに向かって垂直に立てます。斜めになると切った箇所が向けてきてささくれ立ったラインになるので注意です。全部引けたら、所々に板の継ぎ目を入れてやります。 これを入れるとこの後の塗り分けの時に色止めになりますので。 塗り分けはタンを基調に赤、白、黄、濃いグレーと4色くらいの色を作り、大目のリターダシンナーで希釈します。 リターダを使うと色がゆっくり乾燥するため、ナイフで彫った溝に色が行き渡り地の色を隠せます。 塗り分け時のコツははみだしても気にせず、どんどん塗っていき、最後の1色を気をつけて塗り分ければいいと 思います。 配色は同じ色が隣同士にならなければgood!ですね。 |
||
塗装したり船体を削っている間に、艦橋構造物を組んで見ました。 ブロック状の部品を重ねていくのですが、組み合わせの位置が良くわからない状態なので、資料を見ながら位置関係を割り出していきました。 このときブルワークと手すりであろう部分を削り落とし、ブルワークはプラ板にて交換しました。 |
艦橋を下からくみ上げていきますが、部品の平面の精度が失われているため、一段積んでは修正して前後左右から水平を確認します。 だいぶ気をつけたのですが、上部の方で少し右に寄ったらしく後ろの支柱が若干曲がってしまいました。 |
|
艦橋の窓枠はエッチングを使いたいところですが、今回あまりお金を掛けたくなかったので、1/500の存在を調べませんでしたが、市販品であるんでしょうかね? |
で、枠になる部分は一部真鍮線を使い、後はナイフとヤスリで少しづつ削り込みました。 このキット窓枠や水平面を削っていて気がついたのですが、材質がなにか粘性が高いような感じできれいに削れず、ナイフやヤスリに絡みつきます。 |
|
艦橋の張り出し部分の下にはプラ板でできるだけガーターを入れていきます。 大変そうに見えますが、薄いプラ板をあらかじめ適当に細長い三角形に切っておき、接着場所の長さに合わせながらカットして着けていけば、ちょっとした根気だけでそれっぽく見えてきます。 |
艦橋裏面です。 目の確かな人は、ガーターに軽目孔を開けておくといっそう見た目が引き立ちますね。 |
|
下半分は全てトラス構造で組まれていますが、前部と探照灯台が無垢になっています。 さすがに目立つのでナイフでくり貫いてモールドも磨いて削り落とします。 |
キャップ状になった上部は仮組みをしてみると、径が合わなかったのでプラ板でスペーサーを入れ、角度をつけて削ります。 |
|
横のところの無垢部品は組み上げの関係上、塗り分けで我慢し、前部は削り落として真鍮線とプラ板で組みました。 部品で付いているトラス状の格子には、軽目穴をピンバイスで抜孔。 ぎりぎりの径を使ったのでかなり気を使いつかれました。 ファンネルキャップを真鍮線でつけたのですが、これが大失敗。 航空戦艦になる前の形状でやってしまいました。 いよいよ時間が迫ってきたので泣く泣く諦めましたけど・・・・・・。 |
||
エッチングパーツを取り付けた状態です。今回のパーツはTOMs・モデルワークスの1/500二段手摺を使用しています。 今回あまりお金をかけたくなかったので、手摺以外は余ったパーツ等の廃物利用や金属線の自作となっています。 |
||
飛行甲板機銃座のブルワークを取り付けます。 形が複雑なので紙を使い、メタルプライマーを塗って色止めをしました。 |
後部艦橋です。 マストは金属線のはんだ付けと瞬間接着剤を使用して組んでいます。 |
|
カタパルトはプラ板と金属線で自作です。 |
高角砲や艦載艇を載せて次第に形になってきました。 | |
完成形です。 高角砲の射界制限枠を入れてみました。 本当は艦載艇にもう少し手を入れたかったのですが、とにかく時間がありませんでした。 |
||
これで一応の完成です。 かなり手抜きとなっていますが、工期が1ヶ月ではこのくらいが精一杯でした。 |
||
最後は昔風で1枚!パチッ 製作 kudopapa@副長でした。 |
||