USS Olympia
アメリカ海軍防護巡洋艦 オリンピア

レベル 1/220
1/220 Revell: U.S.S C-6 Olympia

こちらは35年前くらいに製作したキットで、当時としては色々と手を入れたつもりでは有りましたが、いかんせん現在の目で見ると・・・かなり稚拙な出来上がりのものでして、しかも良くあるマストが曲がってしまうという経年劣化で、完成以来ずーっと段ボール箱に入れたまま物置にしまってあった物です。
昨年、パイロ版のオリンピアを製作した時に艦載艇が駄目駄目で、こちらのパーツを模りレジン抜きにしました。
その時ボートダビットの一部が破損したので、後でそこだけ修正しようかと思っていたのですが、曲がったマストを見ている内に、全面修復しようと覚悟を決めました。

まずは作業の邪魔になる部品は極力外そうとしましたが、色々と外れないものがあって困惑・・・。
完全に駄目になっているマストや折れてしまったボートダビットを撤去。艦橋の操舵室を外そうとしましたら・・・艦橋の甲板ごとベキッとはずれ・・・・ではなく!割れてしまいました。
どんだけ接着剤ぶち込んでいたんでしょうかね。危うく側壁まで巻き込まれて割れてしまう所でした。
煙突も外し、前部主砲等まで撤去。
なんか・・・・あちこちはずされたバルク船みたいな雰囲気になっております。
煙突は割りとすんなり外れてくれたのですが、ボートダビットと通風塔がどうしてもはずれません。
右舷前部の開いた形にしてあったダビットはどうしてもはずさにゃいかんと思ってちょっと無理をしたら二本ともポキッ!…。

取りはずしたと言うか、割れて取れてしまった艦橋の甲板に付いていた操舵室?はごってりと濃い茶色が塗ってあったので、しばし薄め液に漬込んで色剥がしをしましたら・・・なんとちりじりに木っ端微塵に・・・・(部品が外れたのではなく溶けて崩壊!)
前部と後部の手摺は真鍮線の自作だったので、なんとか残そうとしたのですが、作業中にあちこち断線し、あえなく撤去となりました。

で・・・・作業開始。
まず甲板にペーパーをかけて凸の筋彫りを消去。
が・・・外れなかった通風塔やモールド部品があったりして手こずりました。
100均で買ったリューターの中国製のやすりツールは、ほぼ使えず・・・・プラに負けてやすり本体が変形!駄目だこりゃ。
240番と600番で削ってナイフで筋彫り・・・・邪魔な部品があったりしてあちこち曲がってしまいましたが強引に彫り込み。最後はタミヤの墨入れブラウンの濃いところをべた塗りして放置です。
(これの仕上がりが酷かったら永遠のお蔵入り予定・・・)

次にこれまた崩壊した前部デッキと操舵室を製作。
デッキは紙で型取りをした後、0.5mmプラ板を切り出し、エバグリの筋彫り板を上から貼り付け。
操舵室は4面プラ板で組み上げ、天板だけエバグリを張り付け。
後部のフライングデッキも外そうとしましたが・・・これも手強く外れませんでしたので、そのまま240番で限りなく薄く削りだし。で、上からかぶせるデッキをエバグリで作製しました。

煙突はゴッツイ梯子のモールドがあったりしたので、これもペーパーで全落とし。
新規作成は前後のマスト、大型ボートダビット1セット、小型ボートダビット4基。
舷側の副砲等々・・・・。
外した手摺はどうするか、船体の色は塗るのかそのままか、色々と悩むところではありますね。
木甲板にどっぷりと塗りこんでいたタミヤの墨入れ塗料ブラウンをふき取り。
最初からあった凸彫りをペーパーで削っては有ったのですが、なんとなく残った分と新たに彫った凹彫りが干渉しあってなんか薄汚くなってしまいました・・・。
一度ふき取りましたが、様子を見て再度ふき取り予定です。
あと、甲板上の通気塔やあちこちをあらためて例の黄色にて塗装。
前に塗ってあったのは黄色と言うよりオレンジ色でしたので・・・なんか妙な感じになってましたね。
完全に折れてしまったボートダビット1組は、またプラ棒〜削り〜お線香で作製。
取っ払ってしまった手摺はどうすればいいでしょうね〜?
遠い記憶では・・・確か製作時には船体の色をレベルカラーの明灰白色(海軍機用)で塗ったなぁと思い、お店でクレオスのを選んだのですが・・・今のは明灰白色(三菱系)ってのになっているんですね。
皿に溶いて塗ってみたら・・・・やはりだいぶ明度が違っていて、結構暗く感じたので、少し白を足して合わせてみました。(乾いてみたら・・・まだ暗かったので更に白を追加・・・)

船体に入れてある汚しがあまりにオーバーで、少しエナメル溶剤で落としてと・・・拭いて見ましたら・・・なんとこれラッカー系で汚しておりました!
仕方ないので全面再塗装するか汚れだけ消すか思案し・・・・結果としてリターダーで結構薄めた塗料を平筆で縦に刷り込む感じで塗装しました。
乾いてみましたら、オーバーだった汚しが少しぼやけたような感じになっていて、これも良いかな?みたいな雰囲気になったようです。
で、この後に汚しはするので、墨入れように外板の筋彫りだけやっておきました。

煙突は太っといモールドを削りましたので、延ばしランナーで復元し黄色で塗装。1本付いていた蒸気捨管も取っ払って2本真鍮パイプで製作予定。
灯かり取り等の開口部はごってりとこげ茶が塗ってあったので、一度明るい塗装をした後塗り直しです。
完全に破損した右舷前部のボートダビットは前にパイロ版で間違って作ったのが有ったので、合わせてみましたらこれが寸法バッチリでした。
キット部品の方はI型鋼みたいになってましたが、まぁ・・・・色塗ってしまえば判らないかなと・・・・。

船体は汚しの上から新たに薄めの塗料で塗り、鋼板の継ぎ目を筋彫ってから墨入れを施して吹き上げました。
これが・・・・前のオーバーな汚しが滲んだ感じで浮き出てきて、結構良い雰囲気なんでないかい?といった感じ・・・。

船首のアンカーのホースパイプ、レベル版では全く再現をされていません。
あの・・・パイロ版でもしっかり付いているのに・・・・どうしたことなんでしょうね?
海外でこのレベル版オリンピアを精密に製作されている方のサイトを見ましたが、ここは間違ってそのまま船首上部のムアリングホールから錨鎖を出しています。
前は自分も間違ってセットしていましたが、ムアリングホールから鎖をゴリゴリ出し入れしたら、ムアリングホール吹っ飛んじゃいますね。

艦首周り。
アンカー関係をまとめました。
新たに作ったホースパイプやなんやらを通してチェーンを通し、アンカーを取り付け。
チェーンは一応黒に塗りましたが、作業中に色が剥がれて酷いことになったので、後で再塗装します。
ボート架台の取り付け。
汚しが稚拙だったので、一度塗りなおしてから網目部分に墨入れ。ここはオリジナル部品だったので、きっちりと嵌りました。
煙突。
張り線用の割りピンを煙突と甲板に穴を開けて植え込み。
煙突一つに8箇所。甲板に8箇所。X2で合計32箇所の穴あけと植え込みで、すっかり疲れてしまいました、
張り線は0.6号の釣り糸。
テンションをかけて張った後、余ったところを切り落とすのですが・・・甲板側が狭くて3箇所も本線を切ってしまい・・・・鬱です・・・。

地味に時間の掛かっていた艦載艇の修復が終了。
艇の上に付いていたオールの部品が、著しく精密感を損なっていましたので、全部とっぱっらたのですが・・・・ガッチリ付いていたので、腰掛板が何箇所もベキッととれてしまったので、プラ板で新たに製作・・・・う〜ん・・・手間ですね。
機艇の幌枠は新たに作るのも面倒だったので、ヤスリで薄薄攻撃。上部の色は一度落として木っぽい色で塗りなおしました。

艦橋デッキと後部デッキの手摺を真鍮線で取り付けました。
あちこち曲がったり飛び出たりで・・・・お世辞にも良いとは言えませんね。
その後後部のフライングデッキにも縦線を植え込み。
長官に習って縦線を揃える冶具を作りました。
(お聞きしていた100均の爪切りも購入、使用してみましたが、なんか切っ先が結構脆く、何本か切ったら刃にかけ痕が付いてました)

張り線の仕上げを集中的に実施。
信号旗ロープを前後に設置。
普通このロープの根元には各種信号旗を入れた大きな箱があるのですが、写真で見ても
箱が無く、ロープは手摺に絡めた後、輪にして垂らしてあります。
信号旗は恐らく艦橋かどこかの艦内にしまってあるんでしょうね。
この線は結構なテンションで何本も張るので、手摺に絡めて引っ張ると間違いなく
手摺が吹っ飛びますので、1mm角のプラ棒へピンバイスで孔をあけ、床の外側へ
接着して線をとおして固定します。
実際とは違いますが・・・・ご勘弁!
 
 製作 kudopapa@副長
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