インカニア共和国海軍旗艦 プイィ・フュッセ
と言いつつ・・・・・・
今回は完全に架空の艦船です!


舞台は1890年頃、南米チリとアルゼンチンに挟まれたあたりに、ヨーロッパやら北米、アジアからの流れ者と元々住んでた地元民が集まって勝手に作っちゃった自由都市国家「インカニア共和国」という設定です。
この国、まともな資源も戦略上の重要性も無く、チリ、アルゼンチンからは殆どシカトされて成立しており、主要な産業は貿易と農業で、当然軍隊なども持てるわけも無く、温暖な気候の下陽気な連中が酒だ踊りだと楽しく暮らす楽園でした。
が・・・・・
あるとき突然内陸部に金、銀、鉄、石炭の豊富な鉱脈が発見されたからさぁ大変!!
この突然の情報に国境を接するチリ、アルゼンチンが「あそこは当然自国領だ!」と言いがかりをつけてきました。
わっ!こりゃ大変だ!と言うことで、急遽国民軍が編成されましたが、国を挙げての戦争なんか小競り合いもやったことが無い連中ばかりだったので村役場に毛の生えた程度の政府はてんやわんやの大騒ぎへ・・・・・。
地続きの国境は山岳地帯や砂漠が殆どのこの地方では、兵員の移動はもっぱら船に頼らざるを得ず、急務とされたのはこの敵艦隊を打ち破れずともなんとか妨害を出来る艦艇がどうしても必要だと言うこと。
そこで国中の貨物船から漁船、ボート、ヨットまで動員して急ごしらえの艦隊が組織させることになったのですが、かっこつけの為に取りえず必要だったのが艦隊旗艦。
白羽の矢が立ったのが数年前から唯一の港に座礁放棄されていた某国の石炭運搬船。
これを大急ぎで回収し国中の技術者(鍛冶屋、船大工、家具職人・・・)が集められてあーでもないこーでもないとでっち上げたのがこの装甲機帆船「プイイ・フュッセ」だったのです。
そして集められたのが元海賊の船長やら、国を追われた陸軍参謀やら、偏屈技術者やら漁師に猟師・・・・・
公試運転の最中に早くも襲ってくる両国海軍の艦艇をどうかわしていくのやら、抱腹絶倒の物語は始まっていくのでした。

と言うわけで一応、性能緒元を設定してみました。

動力:戦闘時時は蒸気機関を主動力とするが、洋上哨戒時は帆走。
武装:45口径4インチ速射砲3門、20口径10インチ砲1門(飾りみたいなもので人力装填のため一時間に3発・・・・撃てれば良い方・・・)
速力:蒸気機関で18ノット(極短時間)帆走時7ノット。
総トン数:2800トン
喫水上部に1.5インチの装甲をかろうじて装着。
用途:某国の首都港湾の防備及び敵輸送船団の撹乱。
普段は常時係留されているが(乗員は酒を呑んで昼寝)、不穏な情勢になると港湾沖を帆走で哨戒任務に就く。
水雷艇には正面から戦いを挑むが、装甲艦が出た場合は逃げの一手。
追い詰められた場合のみラムで突っかかる!
元は最近、型が亡きイマイからアオシマに移って再販された1/350「日本丸」。
今回のは最初に発売されたイマイ製のもので、いつから我が家にあるのかわからない超熟成物です。
かみさんが手がけてほっぽらかしてあったのを、なんかに出来んかなとあっちをスパリこっちをザクザク・・・。
この時点で完成イメージや手順なんか全くありませんでした。
個人的な趣味で艦首喫水下には出刃包丁並みの「ラム」をエポキシパテで装備。
が・・・このポリパテ古くなってて旨く混ざらず、乾燥後に研ぎ出ししていたら分離していた部分がポロポロ取れてきて大弱り(新しいの買えばいいんですが、まだ残っているとなんかもったいなくて・・・)
甲板は段が付いてたり構造物がモールドされていたので、思い切って全部はがしてとりあえず全通甲板にしてみました。
ラム同様、個人的な趣味で大型の砲塔がほしかったので、バランスが取れやすい中心軸上の真ん中にプラ板で自作して見ました。
舷側には左右4門の速射砲を設置するため、大型の張り出しをポリパテで製作。
甲板として貼ったプラ板に木目の筋を彫り込んで行きます。
クリッパー型の艦首はラム戦の時に邪魔になるのでスッパリ切断し、パテで丸みを持った形状に修正します。
また喫水上部には装甲板のつもりで適当な長さに切ったプラ板を装着しました。
艦橋はなにかで余ったエッチングパーツを丸めてプラ板で形を作っていきます。
一応艦橋自体が装甲を持った司令塔というつもり?
直立の煙突は使わなくなった筆の樹脂製の柄をぶった切って作成。
艦橋前部の75mm速射砲は手作りででっち上げ!
ちょっと形が新し目なのもご愛嬌と言うことでご勘弁を。
こちらは接着、修正した甲板に木目塗装を。
塗料は水性のヴァレホを使用。
一昨年の東京土産ですね。
だいぶ進んできましたが、なにせ完製ビジョンが全く無いので毎日お馬鹿な妄想ばかり考えておりました。 で、ついにマストを装着。
でたらめな製作工程のため実際に付けてみるまであちこちの取り合わせが想像できず、かなり不安を感じましたが・・・・・・
まぁ、なんとかなるもんですね。
ということで・・・・完成です。
8月のHMEに帆を張らない状態で出品したのですが・・・・近くのブースで展示をされていた「札幌帆船模型同好会」のお歴々がやって来て、「これはどの時代のどこの軍艦ですか?」と言われたときは冷や汗をかきましたね。
イッツ ジョーク! hahaha・・・・・すんません変なもの作って。
左舷前から
カメラの各種設定が馬鹿になっていて、現在オートしか使えないため被写界深度の調整ができず、かなりピンボケなのでご容赦ください。
正面から。
艦首の紋章はネットで拾ってきたそれらしいのを加工して印刷。
右舷前方から。
本当はマストにシュラウドがあるのですが、今回は割愛いたしました。
どうやってマストに登ったらいいかは・・・・・永遠の謎と言うことで。
リギングは基本の静索を張った後これまた最低限の動索を張りました。
滑車はランナーを加工して追加。
艦後部より。
マストを別素材にしなかったため、今回の撮影時に取り出したところリギングの張力に負けて随分と変形してしまっていますね。
やっぱりガラス樹脂の棒か金属に交換すべきでした。
橋のようなシンプルな後部艦橋に(まさに橋・・・)ガトリング砲を装備。
これで接舷戦闘時に敵艦甲板をなぎ払います。(もっとも敵艦に近寄れればの話ですが・・・)

艦首。
ツギハギの雰囲気が・・・・・
艦中央部。
砲塔の汚しがかなりいい加減になっております。
なにか・・・・実際は全く活躍しそうにも無い大砲ですね。
設定としてはどっかから盗んできた要塞砲を無理やり搭載したことにしています。
製作 kudopapa@副長 2008.12.28